インプラントは一度入れると長く使うことができる補綴物です。
では、インプラントが脱落や破損を起こしてしまった時はどのようにすれば良いのでしょうか。
インプラントの破損や脱落は、その箇所によってその後の治療方法が変わります。
それぞれどのような治療になるのかについて解説します。
目次
■インプラントの構造と寿命
◎インプラントは3つの構造でできている
インプラントは、歯根に当たるインプラント体、その上の結合部であるアバットメント、一番上の人工歯部分である上部構造に分けられます。
インプラント体は歯槽骨と結合し歯根の役割を、アバットメントはそのインプラント体と上部構造である人工歯をつなぐ結合部となります。
この結合部は、角度などを変えられるもので、かみ合わせの当たり方などの調節機能にもかかわります。
上部構造である人工歯は、患者様それぞれがご希望に合わせて選ぶことができます
インプラントの埋入手術とは、歯根部分に当たるインプラント体を歯槽骨内部に埋め込む処置のこといいます。
歯槽骨との結合を持って、アバットメントや人工歯を取り付けるため、手術完了には数ヶ月の期間がかかります。
◎インプラント体が脱落した時が寿命
インプラントの寿命は、歯根部分であるインプラント体が脱落した時とされています。
インプラント体が脱落すると修理はできず、埋入手術が必要となります。
また、破損の場合も基本的には新しいインプラント体を再埋入する手術になります。
◎インプラントの寿命は10~15年
90%以上の方が、一度埋入されたインプラントを10年以上使い続けることができます。しかし当院でインプラントを埋入された方では、15年以上使用されている方が多いように感じます。
大切に手入れして使うとさらに数十年もつこともあります。
■インプラントの脱落、破損が起きた時は
◎上部構造、アバットメントメントの破損
インプラントの構造の中で、上部構造とアバットメントの破損は修理が可能なことが多いです。
型の採りなおしなどを行い、新たなパーツに交換することも可能です。
もしインプラント体の埋入手術を受けていない歯科医院で修理を行う際は、インプラントのメーカーによってはアバットメントや上部構造と互換性がない場合もあります。
インプラントのメーカーについて、患者様ご自身でも把握しておくことが大切です。
◎インプラント体の破損、脱落
インプラント体の破損や脱落は基本的に修理が不可能です。
再埋入手術を行う必要があります。
■歯科医院へ行く時は
◎脱落、破損があったものを持っていく
インプラントに何らかの破損や脱落があった場合は、その部分を捨ててしまったりせず保管し歯科医院に持参しましょう。
上部構造が外れてしまっただけの場合などでは、そのまま元に戻せる可能性もあります。
◎保証を確認する
患者様ご自身のインプラントにどのような保証がついていたのか確認してみましょう。
歯科医院によっては、インプラント埋入後定期検診に通っていないと、保証を受けられないケースなどもあります。
保証内容はその歯科医院によって違うため、どのような保証を受けられるのか事前に確認すると良いでしょう。
【場合によっては再手術となります】
インプラントは破損が起こった部位によって、再埋入手術を必要とすることがあります。
最終的にどのような判断、処置になるかは歯科医院と相談し決定となりますが、基本的にはインプラント体の脱落は再埋入手術になると知っておくと、いざという時に慌てずに済みます。
インプラントの寿命は大切に使うことによって伸ばすことが可能です。
歯科医院で保証をきちんと受けるために、定期検診に通い、丁寧なメンテナンスを心がけましょう。