「歯をなくしたときの治療方法は何がイイのかな?」
「インプラントが良いと聞くけど…」
「安いし、保険のブリッジか入れ歯でいいか…」
虫歯や歯周病、歯根破折などが原因で歯を失った場合、人工歯で歯を補うことで歯の噛む機能と見た目を回復できます。
今回は「失った歯の治療方法」についてご紹介します。
目次
■補綴治療の種類
歯を補う際は費用だけで決めるのは良くありません。噛みやすさ、使い心地、残っている歯の寿命など、お口全体の健康を考えて治療方法を選ぶことが大切です。
◎人工物で歯を補う治療を行います
補綴治療(ほてつちりょう)とは、人工物で歯を補う治療です。虫歯治療をしたときや歯を失ったときは補綴治療を行い、歯の噛む機能と見た目を回復します。
[補綴治療の種類]
{歯冠修復(虫歯治療や事故で歯の一部が失われてしまったときに行う治療)}
・詰め物(充填、インレー)
・被せ物(クラウン)
{人工歯による補綴(歯を失ったときに行う治療)}
・インプラント
・ブリッジ
・入れ歯
■インプラント
◎人工歯根により、高い安定性を持ちます
インプラントとは、人工の歯根を作る治療法です。ネジのような形をしたフィクスチャーを顎の骨に埋め入れ、フィクスチャーにアバットメントを介して人工歯を接続します。
埋め入れたフィクスチャーは生体現象によって顎の骨と強固に結合します。フィクスチャーには無数の小さな穴が開いており、穴の中に顎の骨が入り込んで結合するため、非常に安定性が高いです。
インプラント治療後は硬い物もしっかり噛めるようになります。
〇インプラントのメリット
1.安定性が高い
2.ほかの歯を傷つけない
3.天然の歯に近い使い心地で違和感がほぼない
4.耐用年数が長い
5.発音しやすい
6.骨吸収が起きにくい
7.毎日のお手入れがカンタン
1.安定性が高い
インプラントは人工の歯根を作るため、非常に安定性が高いです。治療後はお肉や繊維質の野菜、おせんべいなど、弾力のある物や硬い物もしっかり噛めるようになります。
天然の歯の噛む力を100とした場合、インプラントは噛む力を80~90%回復できるとされています(※)。
(※)噛む力の回復率は患者様や症状によって
異なります。
噛む力の回復率が平均値を下回ることもあります。
2.ほかの歯を傷つけない
インプラントは失った箇所にのみ治療を行います。ブリッジや入れ歯のようにほかの歯を傷つけないため、残っている歯の寿命の延伸も期待できます。
3.天然の歯に近い使い心地で違和感がほぼない
インプラントは固定式です。入れ歯のように取り外す必要がなく、天然の歯に近い感覚でお使いいただけます。違和感もほぼありません。
4.耐用年数が長い
インプラントの平均耐用年数は約10年とされています(※1)。
ブリッジの平均耐用年数は7~8年、入れ歯の平均耐用年数は3~5年程度です。
ブリッジや入れ歯と比べ、インプラントは耐用年数が長い点がメリットです(※2)。
(※1)ストローマン社HPより引用。
(※2)インプラントを長持ちさせるには毎日の歯磨きに加え、
歯科医院で受ける定期メンテナンスが必須です。
5.発音しやすい
インプラントは固定式です。
取り外し式で不安定になりやすい入れ歯と異なり舌の動きを邪魔しないため、発音しやすいです。
6.骨吸収が起きにくい
インプラントは人工歯根によって噛む刺激が歯槽骨に伝わるため、骨吸収が起きにくいです(※1)(※2)。
(※1)骨吸収・・・骨が溶けて失われること。
(※2)メンテナンス不足によるインプラント周囲炎の発症や不適切な治療による
噛み合わせの異常が原因で骨吸収を起こすケースがあります。
7.毎日のお手入れがカンタン
インプラントは固定式のため、入れ歯のように取り外して洗う必要がありません。基本的な毎日のお手入れは歯磨きとフロス・歯間ブラシによる歯間清掃で完了します。
- インプラントのデメリット
1.外科手術を行うため、手術にともなうトラブルのリスクがある
2.手術にともなう感染症のリスクがある
3.保険が利かず、費用が大きくなる
1.外科手術を行うため、手術にともなうトラブルのリスクがある
インプラントは歯ぐきの切開やフィクスチャーの埋め入れなど、外科的な手術を行います。手術にともない、血管や神経などの身体の組織を傷つけるリスクが少なからず存在します。
2.手術にともなう感染症のリスクがある
外科手術にともない、インプラントには細菌感染による感染症のリスクが存在します。
3.保険が利かず、費用が大きくなる
インプラントは自由診療です。生まれつきの顎の欠損など一部の疾患を除き、原則として保険を適用できません。保険が利かないため、治療費用が比較的大きくなります。
■ブリッジ
◎連結した被せ物で歯を補います
ブリッジとは、連結した被せ物(クラウン)で失った歯を補う治療法です。
〇ブリッジのメリット
1.保険を適用できるケースがある
2.入れ歯と比べ、安定性が高い
3.外科手術を行わない
1.保険を適用できるケースがある
ブリッジは保険を適用できるケースがあります。ただし、すべての症例で保険による治療を受けられる訳ではありません。失った歯の本数が多い場合や歯の失い方によっては保険適用外となり、自費診療になります。
2.入れ歯と比べ、安定性が高い
天然の歯の噛む力を100とした場合、ブリッジは噛む力を60~80%回復できるとされています(※)。
(※)噛む力の回復率は患者様や症状によって異なります。
噛む力の回復率が平均値を下回ることもあります。
3.外科手術を行わない
ブリッジは外科手術を行いません。歯を削り、接着剤を使って連結した被せ物を取り付けます。
- ブリッジのデメリット
1.ほかの歯を傷つけてしまう
2.清掃しにくい
3.骨吸収を起こすことがある
1.ほかの歯を傷つけてしまう
ブリッジは失った歯の両隣または片側の歯を削り、接着剤を使って連結した被せ物を取り付けます。歯を削るため、被せ物をした歯の寿命が縮まります。
また、ブリッジは失った歯の噛む力を両隣または片側の歯で支えるため、被せ物をした歯に通常の1.5倍以上の負担がかかります。ブリッジが原因で被せ物をした歯に大きな負担がかかり、歯根が割れることもあります(ブリッジによる残存歯の歯根破折)。
2.清掃しにくい
ブリッジは天然の歯と被せ物の境目にすき間ができやすいです。すき間に溜まった歯垢は歯磨きで落とすのが難しいため、歯垢が原因で虫歯や歯周病にかかりやすくなります。
3.骨吸収を起こすことがある
ブリッジは歯根がなく、失った歯の箇所の歯槽骨に噛む刺激が十分に伝わりません。ブリッジを使い続けていると噛む刺激の不足で骨の代謝バランスが崩れてしまい、骨吸収を起こすことがあります。
■入れ歯(部分入れ歯、総入れ歯)
◎取り外し式の義歯を装着します
入れ歯とは、取り外し式の義歯で失った歯を補う治療法です。
部分入れ歯はクラスプという金具を残っている歯にかけて使用します。総入れ歯は歯ぐきや顎の粘膜で義歯を支えます。
〇入れ歯のメリット
1.保険が利く
2.外科手術を行わない
1.保険が利く
入れ歯は保険を適用可能です。
2.外科手術を行わない
入れ歯は外科手術を行いません。
- 入れ歯のデメリット
1.ほかの歯を傷つけてしまう
2.取り外し式のため、安定性に欠ける(特に保険の入れ歯)
3.骨吸収を起こすことがある
4.毎日取り外してお手入れする必要がある
1.ほかの歯を傷つけてしまう
部分入れ歯の場合、クラスプを残っている歯にかけて使用します。部分入れ歯を使い続けていると金具をかけた箇所が傷つくほか、テコの原理によってクラスプをかけた歯が引き倒されてしまい、歯がグラグラになることがあります。
2.取り外し式のため、安定性に欠ける(特に保険の入れ歯)
入れ歯は取り外し式のため、安定性に欠けます(特に保険の部分入れ歯・総入れ歯)。
天然の歯の噛む力を100とした場合、入れ歯の噛む力の回復率は30~50%程度とされています(※)。
(※)噛む力の回復率は患者様や症状によって異なります。
噛む力の回復率が平均値を下回ることもあります。
3.骨吸収を起こすことがある
入れ歯は歯根がなく、失った歯の箇所の歯槽骨に噛む刺激が十分に伝わりません。入れ歯を使い続けていると噛む刺激の不足で骨の代謝バランスが崩れてしまい、骨吸収を起こすことがあります。
4.毎日取り外してお手入れする必要がある
入れ歯は毎日取り外してお手入れする必要があります。入れ歯を傷つけないよう気をつけて洗ったり、汚れがひどい場合は洗浄剤を使わなければならないことも。入れ歯は毎日のお手入れに手間と時間がかかります。
【失った歯の治療法やインプラントに関するご質問はお気軽にご相談ください】
歯を失ったときは、しっかり噛めてほかの歯を傷つけないインプラントがおすすめです。この機会にぜひ、インプラントの高い安定性をご体験ください。
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