インプラント治療コラム COLUMN

インプラント手術後の腫れ・痛みについて


インプラント治療では、歯ぐきの切開や顎の骨へのインプラント体の埋め入れなど、外科的な手術を行います。


外科的な手術を行うため、インプラントの手術後には、患部の腫れ・痛みが生じることも。


今回は、インプラント手術後に生じる可能性がある「患部の腫れ・痛み」について、ご説明します。


■インプラント手術後、患部の腫れ・痛みがあるときはどうすれば良いの?


◎抗生剤・痛み止めの服用により、手術後の患部の腫れ・痛みを軽減できます

基本的には、処方する抗生剤(抗生物質)、および、痛み止めの服用で手術後の患部の腫れ・痛みを軽減可能です。


抗生剤・痛み止めを飲んでもガマンできないほどの、生活に大きな支障がでるレベルの強い腫れ・痛みが続くことは、ほぼありません。ほぼありませんが、抗生剤・痛み止めを飲んでも、強い腫れ・痛みが続く場合は、重度の細菌感染による患部の化膿、もしくは、歯周病の再発が原因の患部の炎症が起きている可能性が考えられます。


■インプラント手術後、患部の腫れ・痛みが生じる理由


以下の①~③などの理由により、インプラントの手術後には、患部の腫れ・痛みが生じる場合があります。


理由その①インプラント手術に対する防御反応(炎症反応)

インプラント手術は、患者様のお口の機能面である「しっかり噛む」を実現し、失った歯を補って「お口の見た目を改善する」、この2点が主な目的です。しかし、お口の機能面・見た目を改善するためとは言えど、歯ぐきの切開や顎の骨へのインプラント体の埋め入れ(骨へのドリリング)など、外科手術は身体に対する侵襲行為になります。


侵襲行為のため、インプラント手術後は、手術の刺激に対し、身体を守ろうとする生体の防御反応(炎症反応)により、患部の腫れ・痛みが生じることがあります。


{手術後の腫れ・痛みは2日~2週間程度、続くことがあります}


1本のみのインプラントを埋め入れる通常の手術の場合は、手術後に生じる患部の腫れ・痛みは2~3日程度で治まるケースが多いです。


複数本のインプラントを埋め入れた場合や、骨造成・歯周組織の再生をともなうインプラント手術を行ったときは、手術後、1~2週間程度、患部の腫れ・痛みが続くことも。


{手術後の患者様の行為により、患部の腫れ・痛みが増す場合も}


手術直後に飲酒した・入浴した・辛い物などの刺激物を食べた、など、手術後の患者様の行為により、患部の腫れ・痛みが増してしまう場合があります。


理由その②患部の創口からの細菌感染

外科手術を行うインプラント治療では、各種衛生機器・器具による細菌感染対策が必須です。細菌感染対策を徹底することで、患部の創口からの細菌感染を防ぎやすくなり、インプラント治療の安全性を高められます。


衛生管理は必須ですが、細菌感染対策の不備があると、インプラント手術中に患部の創口から細菌が感染してしまうことも。また、手術後、患者様が抗生剤(抗生物質)を飲み切らなかったなど、患者様側の原因により、細菌感染が発生する可能性もあります。


患部が細菌に感染してしまった場合は、患部の強い腫れ・痛みが生じたり、患部が化膿することがあります。細菌感染により、顎の骨へ埋め入れたインプラント体と骨との結合が阻害されてしまい、インプラント体が抜け落ちるケースも。


理由その③歯周病菌の取り残しによる患部の炎症

外科手術を行うインプラント治療では、事前に、歯ぐき・顎の骨を健全な状態にしておくことが、治療を行うための前提条件です。


歯ぐき・顎の骨を健全な状態(インプラント治療を受けられる状態)にするために、患者様によっては、顎の骨を増やす骨造成が必要になることも。必要に応じて骨造成を行うと共に、歯周病が見られる場合はインプラント治療前に徹底して歯周病治療を行い、歯ぐき・顎の骨に巣くう歯周病菌の病巣をできるかぎり除去しておくことが重要です。


特に、歯周組織へのダメージが進んだ状態である中程度~重度の歯周病の方に対しては、インプラント治療前の歯周病治療が欠かせません。もし、インプラント治療前の歯周病治療で歯周病菌を取り残してしまった場合、インプラント手術後、取り残した歯周病菌により、歯ぐきや顎の骨などの歯周組織に炎症が起き、患部の腫れ・痛みが生じるケースがあります。


■インプラント手術後の腫れ・痛みを軽減するために必要なこと


インプラント手術はお口の機能面・見た目を改善すると共に、身体にとっては侵襲行為になります。侵襲行為のため、個人差はありますが、インプラント手術後は手術の刺激によって患部の腫れ・痛みが生じる可能性があります。


インプラント治療では、手術は必須になります。このため、手術の刺激にともなう、手術後の患部の腫れ・痛みを完全になくすのは難しいです。難しいですが、以下のようなポイントに気をつけ、実践することで、インプラント手術後の腫れ・痛みを軽減しやすくなります。


≪患者様にしていただきたいこと≫


1.インプラント手術当日は、手術前の歯みがきを入念に行い、お口の中をできるだけ清潔な状態にしておく

2.インプラント手術後は、処方された抗生剤を飲み切る(痛み止めについては、大きな痛みを感じない場合は痛み止めを飲まなくても大丈夫なケースもあります)

3.インプラント手術後は、舌や指で患部の創口をさわらない

4.インプラント手術後は、2~3日程度、入浴、および、辛い物などの刺激物を控える

5.インプラント手術後は、1週間程度、飲酒・運動を控える


≪歯科医師&クリニック側で気をつけるべきこと≫


1.高性能洗浄機、高圧蒸気滅菌器(オートクレーブ)、口腔外バキュームなどの各種衛生機器・器具を用い、細菌感染対策を徹底した上でインプラント治療を行う

2.患部への侵襲は最小限に留めることを意識し、インプラント治療を行う

3.必要に応じてインプラント治療前に歯周病治療を行い、できるかぎり歯周病菌を除去しておく


【インプラント治療の安全性・正確性を高めるための取り組みを行っています】


神奈川県小田原市の白山歯科クリニックでは、患者様に安心してインプラント治療を受けていただくために、以下の取り組みを行っています。


<手術の安全性・正確性を高めるための取り組み>


・CTによる精密診断

・インプラントシミュレーションシステムによる治療前の綿密な埋入&設計シミュレーション

(GALAXISインプラントシミュレーションシステム:シロナ社の歯科用CTシロナXG3D&オステム社のワンガイドシステムとセレックシステムの連携)

・サージカルガイドの使用

・骨造成手術

・光学スキャナーによる型取り

・世界シェアトップクラスのメーカーのインプラントパーツを使用

(ストローマン、ノーベルバイオケア、オステム)


<細菌感染対策の徹底>


・器具除染用洗浄器「Miele(ミーレ)」

・高圧蒸気滅菌器「Sirona DACプロフェッショナル」

・滅菌パック保存(器具を滅菌処理した後、パックに封入)

・タービン・エンジン専用滅菌器「Sirona DACユニバーサル」


上記の衛生機器を用いた器具の洗浄・滅菌


・ディスポーザブルアイテム(使い捨て器具)の使用

・衛生性・洗浄性が高い「EOM AQUA歯科用ユニット」を設置

・インプラント治療専用の手術室を完備

・エアロクリーン(医療用空気清浄機)による院内の清浄


当院の特徴としては、GALAXISインプラントシミュレーションシステム(シロナ社の歯科用CTシロナXG3D+オステム社のワンガイドシステムの連携)が挙げられます。


上記のシステムを駆使し、歯科用CTで得られた患者様のデータを基にサージカルガイドを作製・使用することでフィクスチャーの埋め入れ精度を高めています。


また、当院では歯科用CTとセレックシステムを連携して人工歯の位置や噛み合わせの高さを精密に算出することにより、違和感が少なくしっかり噛める&より自然の歯に近い印象のインプラントを作製・ご提供しています。


– インプラントの無料相談を実施しています –


白山歯科クリニックでは、30年以上のインプラントの治療実績がある日本口腔インプラント学会所属の院長が手術を担当します。これまでに行ってきた数多くの治療の経験に基づき、骨造成や難症例にも対応可能です。


歯を失い食べ物をしっかり噛めない方、インプラントのクリニック選びでお困りの方は当院までお気軽にご相談ください。相談費は無料です。


カウンセリングのご予約はお電話/WEBにて承っております。

白山歯科クリニック
歯科医師
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