歯のお話し2 徳川家康の入れ歯 Information
●日本の入れ歯は世界最先端だった!?
みなさんこんにちは!小田原の歯医者さん白山歯科クリニックの田賀です!
今日は入れ歯の歴史についてお話しさせて頂きます。
食通で知られる徳川家康。実は晩年は「総入れ歯」だったことが知られています。
時代は江戸の初期。今からおよそ400年も前のことですが、そんな時代から「総入れ歯」があったんですね。
ところで、この家康の入れ歯、どんな人が作ってたのでしょうか?もちろん、当時は歯科技工士さんなどいませんよね。
ヒントはこの入れ歯が「木製」であったこと。答えはなんと、「仏師」と呼ばれる木の仏像を彫る人が作っていたんですね。
現代でも高い技術が必要な「総入れ歯」ですが、家康は「おいしくご飯を食べられる」と大変ご満悦だったそうです。
いくら細かい彫刻をするのは本職とはいえ、家康の入れ歯を作るとなれば、相当な緊張と苦労をされたんではないかと思います。
●ヨーロッパの「見せ入れ歯」
さて、世界に目を向けると、とても面白いことがわかります。実は、ヨーロッパで食事にきちんと使える入れ歯ができたのは18世紀に入ってから。
日本に遅れることなんと200年!!野菜など比較的やわらかいものを食べていた日本に比べ、肉などの固いものを食べていたヨーロッパ。
そんな食生活の違いが、入れ歯の進化に影響を及ぼしていたようです。
しかし、ヨーロッパでは、実はその前からも「入れ歯」そのものは存在していました。
ただし、その目的は「歯が抜けてしまった口元を美しく見せること」。
見た目を自然の歯に近づけるため、動物の牙などを使っていたそうで、しばらく使うとひどい悪臭がするのが難点。
さらにそれを、香水でごまかしていたそうです。食生活だけでなく、文化的な違いも垣間見れますよね。