歯の話44 入れ歯をしたロバ?! Information
みなさんこんにちは!小田原で評判の痛くない歯医者さん白山歯科クリニックの田賀です!
問題です 上の写真はいったい何をしているかわかりますか?
答えは白黒でちょっと見にくいですが、実はこれ、歯医者さんがロバの入れ歯を作るために、歯の型をとっているところです。
このロバの名前は「一文字」。
一文字は1937年に始まった日中戦争で物資の運搬で活躍し、その功績を認められ「軍功動物」として上野動物園にやってきました。
動物園では子供を乗せた馬車をひくなど、とても人気のあるロバでした。
そんな一文字が、あるとき死にそうになったことがありました。原因は「ポップコーン」。
その時27歳、人間でいえば、およそ90歳にもなっていた一文字には、残された歯は限りなく少なくなっていました。
ポップコーンを食べた一文字は、しっかり噛むことができず、喉につまらせて死にそうになってしまったのです。
「なんとかしてまた食べられるようにしてあげたい」
そう思った動物園の人たちは、「ロバの入れ歯」を作ってくれる歯医者さんを探し始めます。
しかし、そのような事例は世界中みてもまったくありません。
都内の歯医者をあたっても、誰も相手にしてくれませんでした。
そんな中、手を差し伸べたのが東京医科歯科大学助教授の石神健次先生でした。
後に、昭和天皇の御殿医となられた方でもあります。
「不快で口を触られるのを嫌がってしまわないか」「型をとるときにじっとしていられるか」「ちゃんと噛める入れ歯が作れるか」
石神先生は、こうしたさまざまな不安があるなか、着実に入れ歯作りを進めていきました。
そして、二ヶ月半の時間をかけ、ようやく入れ歯が完成したのです。
とはいえ、入れ歯で噛むには「練習」が必要。人間の場合、何度か調整が必要になることが普通です。
しかし、一文字は言葉が話せません。一文字はちゃんと入れ歯を使えるようになるのか…。
いよいよ完成した入れ歯を装着。
一文字は草を口にいれました。すると…。なんと、まったく痛そうな素振りもなく、むしゃむしゃと草を食べました。
しかも今までよりもしっかり噛んでいます。そう、入れ歯作りは大成功だったのです。
その後一文字は、食生活がよくなったことで、身体的にも精神的にもずいぶん元気を取り戻したそうです。
人間も動物も、やはりしっかり食べられることで健康になれるんですね。
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